台湾でVoIPサービスをスマホで使いたいがどうしたらいいかとの質問が来ています。
このスレッドに情報をまとめます。
着信もできること、というのが前提だそうです。
この場合の着信は、固定網、携帯網、つまりPSTN (公衆交換電話網)からのコールを直接、スマホで受信したいのだと、解釈しました。
つまりDID (direct inward dialing)番号をサポートしたVoIPサービスということになります。
わかりやすく言うと、日本の東京なら03、大阪なら06、あるいは全国的に普及しつつある050で始まる番号でもいいかもしれませんが、このような番号に相手が電話した場合に、スマホで受けられるということです。
なぜ、スマホでないといけないか、というと、スマホであれば、インターネットに直接、接続できるIP電話アプリが有料、無料と各種あるからです。一般の携帯ですと、携帯電話網を経由して受信するので、その分、通信会社に支払いが発生してしまいます。通話料を安くしたいという目的にはそぐわなくなります。
スマホ以外でも、専用のIP電話機でももちろん構いません。またノートパソコンやタブレットPCでも、IP電話アプリが揃っていればそれでも構いません。
話を戻します。DID番号を持ったVoIP通信サービスは、各国にいろいろあります。しかし、今回は台湾のDIDということに限ると、その選択肢はとても少なくなります。
台湾は、070で始まる番号のみを、DID番号として開放しています。日本で言う、050に相当するものです。
これらを商業ベースで販売しているのが、台湾に数社あります。
代表的なのが、Fareastone と Chief とう会社です。
それぞれ、070の番号をポストペイで契約できます。Chiefに関してはプリペイ式の契約も可能です。
02 (台北地区)や06(高雄地区)などに代表される固定電話網は、VoIP用には開放されていません。
海外でDIDの販売をしている業者がいくつかあるのですが、台湾の固定電話(例えば台北市なら02)は販売されていません。おそらく台湾の通信に関する法律がこれをまだ許していないからだと思わます。
アイルランドに本拠を置く、mydivert.com というインターネット電話専門の会社 (これをITSPと呼びます)では、台湾の携帯電話に割り当てられた番号を販売しています。097で始まる番号です。台湾の会社ができていないことを、どうして、このアイルランドの会社が可能なのかはよくわかりません。
台湾の場合、097のほうが、台湾の一般の人には受けが良いかもしれません。070で始まる番号は、まだそれほど馴染みがないのです。相手が着信したときに、070の表示があると、なんだろう、と思う人もかなりいます。この番号から掛かってきた番号を取ると、余計な料金が課金されるのでは、と疑うひともいる位です。まだまだ、通信業者の、告知や広告が広く行き渡っていないのです。
このmydivert.com ですが、その097の番号ですが、毎月10ユーロかかります。月額基本料と考えて差し支えありません。番号維持費用と考えても構いません。台湾では携帯電話通信会社との契約で番号をとると、安い所で、月額280元程度です。ですから、月額基本料金としては、安い部類ではありません、しかし、表にあるように、発信時に課金される通信費やとても安いです。
通話料金、つまりこのDID番号をもった、端末、この場合はスマホから、発信した料金は、というと、これもとても安いのです。
先に紹介した台湾の通信業者2社にくらべても、とても安いのです。
決定は、支払いがプリペイでしか対応していないのと、単位がユーロで、支払い方法がクレジットカードか、paypalという電子マネーにのみ対応していることです。プリペイなのですが、なんせ、料金が安いので、一度、たとえば20ユーロを入れておいても、普通の使い方をしていると、通話料金に関しては、なかなか減りません。
もちろん、受信するだけだと、月額費用以外は、一切かかりません。
比較を台湾元で行います。
さて、肝心なのは、これらのDID番号をどうやって利用するかということですが、それは次回に説明します。
VoIP用語集 - VoIPやIP PBXでよく使う用語を集めました。
DIDとは、VoIP登場の前は、電話会社が提供する固定電話が、顧客のPBX(交換器)の中をスルーし、ある特定の内線にコールできるような機能で、電話会社が提供します。ダイヤルイン番号とも呼ばれています。
しかし、VoIPが登場後は、DIDはもうひとつの意味を持ち始めました。それは、インターネット電話の世界で、従来の固定電話網または、携帯電話網と互換の番号を意味します。従来VoIPサービス、つまりインターネット電話サービスの会社は、その会社が提供する固有の番号で、それぞれの端末同士が通話していましたが、当然従来の固定電話網や携帯電話網との接続が必要とされました。DID番号は、インターネットの番号システムに固定電話や携帯電話網の番号を割当てるため、ITUという国際期間が決定した、共通規格の E.164規格に基づいて決定されます。わかりやすく言うと、DID番号を割り当てられたVoIP端末やIP PBXは、従来の固定電話や携帯電話からの通話を受け付けることができます。
FXOゲートウェイ
アナログ電話回線をIP-PBXに接続するためにのハードウエア。 ゲートウェイ側のFXOポートと電話回線のFXSポートを繋ぐことにより、アナログ電話回線がVoIP信号に変換される。
IP 電話
IP電話(アイピーでんわ)は、広い意味では電話網の一部もしくは全てにVoIP技術を利用する電話サービスである。音声のみのものが多いが、動画も利用できるテレビ電話サービスなども可能である。
IP電話機
IP電話で用いる電話機部分の総称で、パ ソコンを使用するソフトウエアのタイプ(ソフトフォン)とハードウエアタイプの電話機がある。ハードウエアタイプのIP電話機は、イーサネット接続あるいは、無線LANで、ネットワークと接続して使用する。
利用する、IP電話の規格としてはH.323、SIPそしてIAX2がよく知られており、これに対応したIP電話機が多く販売されている。IP電話機は、PSTN(一般公衆回線網)には直接接続はできない。
IP-PBX(アイピーピービーエックス,Intenet Protocol Private Branch eXchange)
IPネットワーク内で、IP電話端末の回線交換を行なう装置及びソフトウェア。企業などの組織内のLANにおいて、IP電話による内線電話網を実現する目的で使用される。オフィスの内線網と公衆回線との接続などを行なうPBX(構内交換機)と同等な機能を、IPネットワーク上で実現し、IP電話環境を構築するための装置。通常の公衆電話網(外線網)とIP電話による内線網の間の中継も IP-PBXが行う。専用のハードウェアによって回線交換を行うものと、汎用のサーバやPCでソフトウェアとして動作するものの2 種類がある。
ITSP (Internet Telephony Service Provider)
VoIP(Voice over Internet Protocol)の技術を利用して電話回線を用いた情報通信サービスを提供している事業者の総称である。主に米国で用いられている呼び名で、日本では基本的にITSPと呼ば れることは少なくVoIP事業者あるいはインターネット電話事業者などと呼ばれている。
PSTN 【Public Switched Telephone Networks】(公衆交換電話網)
「公衆電話交換回線網」などと訳される、一般の加入電話回線ネット ワークのこと。物理的な引き込み回線は銅線(カッパーライン)を用いるため、メタルラインサービスとかカッパーラインサービスなどとも呼ばれる。末端に電話機をつないで、回線交換方式で相手に接続して音声通話をするのに使う。G3ファックスやモデムを繋いで、画像やデータを送ることもできる。
Voice over Internet Protocol(ボイス オーバー インターネット プロトコル、VoIP(ボ イップ))
音声 を各種符号化方式で圧縮しパケットに変換した上でIP(Internet Protocol: インターネットプロトコル)ネットワークでリアルタイムで伝送する技術。Voice over Frame Relay (VoFR) ・Voice over ATM (VoA) などと同じVoice over Packet Network (VoPN) の一種。プロトコルとしてはH.323、SIPなどのオープンな規格と、Skypeのような独自規格もある。音声と同時に画像を送る規格は、H.263、H.264などがある。