でも、決定的に違うのは、この電話機には、電話線がないのです。といってもコードレス電話機でもありません。
接続する線は、AC アダプターからの電源線と、コンピュータをネットに接続するのに使う、ネットワークケーブル (イーサネットケーブル)なのです。これはIP電話機です。IP電話機にSIP番号と呼ばれる、IP電話の世界の番号が登録されています。
いまこの記事は台湾で書いておりますが、この電話器を線でインターネットに接続し、電源をいれると、仮想的に日本にいるのと同じくなります。といっても電話の世界だけの話で、別に空間移動するわけではありません。
"日本にいるのと同じ" という意味は、電話番号がインターネット電話の050番号なので、東京の友達がこの番号に電話をしたとすると、小生は台湾にいるのに、呼び出し音が鳴るのです。
そして、受話器を取るとそのまま通話開始です。
会話時の音質はとても鮮明です。国内間に比べると多少の音の遅れがあります。スカイプ同様に、ネットが混みあうと、音質も若干、悪くなることもあります。
そのときの料金なのですが、友達は固定電話でかけると、その友達がNTTに3分11.025円(税込)を支払うだけです。あとは、一切かかりません。日本から台湾への料金はだれも負担しません。ただ、ネットワーク料金、つまりインターネットの接続料金だけは小生側で払います。
また、この電話機から、大阪の友人へ電話する場合は、06xxxxxxxx という具合に、市外局番の06から始まる電話番号をそのまま、回すだけです。その料金は、なんと、無料になります。但し、これを可能にするには、3ヶ月毎に約1,000円程度をルクセンブルグの通信会社へ前もって支払います。
無料通話がなぜ可能かというのは、詳しくは別な機会に、書きますが、簡単にいうと、契約しているルクセンブルグの業者 (ITSPといいます)が、先のプリペイ料金の金利などで運用していること。各国の現地の通信業者と大量の通信を提供するかわりに、格安のレートを引き出していることなどによります。結果、地域によっては無料もしくは格安の通話料金の提供が可能になっているのです。
先の大阪の友人の電話機には、着信表示として、その050の番号が表示されるので、まるで、日本から掛かってきたように見えます。
便利ですね。海外の会社が日本に仮想的な支店を持つ場合にこのような電話が役立ちます。営業用とか、顧客サービス用などの電話が、日本に実際の事務所を持たなくても可能になります。
また、例えば、ハワイのペンションのオーナーがこのような電話器を持つと、日本のお客様から、予約や問い合わせを国際通話無しで受けられるので、お客様にとっては、とても便利になります。但し、時差の問題は解決できませんが(^_^;)
日本からの海外留学生がこの電話機をもっていれば、日本の家族や友人はいつでも、日本国内の電話料金で、連絡をとることができます。
この電話器はAT-610として、販売されているものに、小生がFusion IP Phone SMARTの050番号と、格安ITSPの12Voipサービスを設定したものです。
参考リンク
IP PBX Users - Facebook Page
050 IP 電話ユーザに、もうひとつの選択肢が。
IP電話機は、ATCOMのAT-610やAT-620P で決まり!